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2006年02月18日

「札幌市エレクトロニクスセンター内大田(テジョン)館」

 一昨年(2004年)十月、札幌市と韓国・大田広域市は経済交流協定を結んだ。両市のそもそも交流のきっかけは、アジアのIT産業先進都市を結ぶ交易路「eシルクロード」にある。最初韓国からもたらされたこのアイディアは札幌で「eシルクロード」の名前が冠され、2001年の北大学術交流会館でのキックオフ・セミナや札幌市内のホテルでのコンベンションで活動が始まっている。このイベントの関係者の一人が大田市とも関係が深く、その事も手伝って両市でのIT企業関係者の交流が続き、両市の市長訪問が実現し、前記の協定締結に結びついている。
 両市の経済交流のシンボルとして、2004年7月には大田市テクノマートに札幌のIT産業紹介の常設展示場が、同年十月には札幌市厚別区にある札幌市エレクトロニクスセンター(略称エレセン)に国際交流スペースの開所に漕ぎ着け、そのメインの施設として大田市の先端産業の常設展示場「大田館」が設けられた。このエレセンは、下野幌の丘陵地帯を切り開いて造成した航空写真に示す情報産業団地テクノパークの中核施設で、今年で二十周年を迎える。エレセンの後ろには札幌市と江別市の境界が走る森林地帯が広がっている。

札幌テクノパークA.jpg

 このエレセン内の一階にある大田館の存在は少数の関係者しか知らず、開所のセレモニーや韓国からの企業家や学生達の訪問のような特別のイベントを除くと訪れる人もなく、無人の展示場で大田市の先端産業の映像が映し出されている(多くの場合はディスプレイ装置がoffの)様子は大都会の秘境の雰囲気が漂う。確かに都心から遠いこの施設まで来るのは大変で、エレセンのテナントも都心に移るとエレセンの秘境化が進む。二十周年を迎えるエレセンにもっと人が来るようにし、秘境化脱出の方策を真剣に考える必要に迫られてはいるのだろうけれど、これといった秘策がある訳でもない。
大田館A.jpg

 このエレセンの三階には2005年四月に発足した「eシルクロード大使館」があり、写真のように大使館の看板も出ている。こんなところに“大使館”と銘打ったものがあるのを実際に大使館の看板を見て確かめた人は数少ないだろう。脱秘境化を目指すところに「札幌秘境100選」の元締めとなっていて、エレセン内施設が秘境として取り上げられるのはアイロニーかも知れない。この大使館は「eシルクロード研究工房」と表裏一体で、「CSパンダの会」の事務局でもある。

大使館看板B.jpg

投稿者 esra : 2006年02月18日 17:21

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