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2006年02月17日
熊の出没する宮丘公園
西区西野は西側に手稲山、東側に三角山、南側には盤渓の山間が位置して、西野の街は北側から札幌の平野部の市街に通じていく。この手稲の山裾が平野部に突き出すように小高い丘状になっているところ一帯が宮丘公園である。円山公園をかすめて西に走る北1条宮の沢通りは宮丘トンネルをくぐり、宮丘公園の中央部を分断して国道5号線と合流する。
この宮丘公園はよく整備された公園で、林間広場、芝生広場、トリム広場と名前の通りの広場があって、遊歩道も伸び、格好の散歩道になっている。付近の住民や、犬の散歩のため訪れる人達には、手稲山を遠望する広い公園という感じで、ある事態が起こらねば秘境でも何でもない。その事態とは熊の出没である。
この公園から続いている手稲山に熊が住み着いているらしく、夏を迎える頃から熊の糞が見つかり、写真のような熊出没の注意警報が出される。注意警報に続いて秋から冬眠に備えるため餌あさりが目立ち始めると立ち入り禁止の看板が出て、市の広報車が公園に近づかないようにと拡声器で知らせて回る。こうなると宮丘公園は人の近づけない秘境に変わる。
人の居ないはずの秘境の公園からはドン、ドンという音が聞こえてくる。はて、これはいかなる事態になっているのかと、立ち入り禁止のロープをくぐって秘境探検に赴く。そこで目にしたものは鉄砲を担いだハンターが大きな音に耳を抑えている写真の姿である。近くでは白煙が上がっている。ペアで熊撃退の任務に当たっているハンターに恐る恐る訳を聞くと、まず立ち入り禁止を破ってそこに居ることについて小言を言われてから、地上で花火を挙げて(落としてか)いると説明が得られた。花火の音で熊を追い払おうという作戦である。
散歩道沿いに花火を鳴らしても、もともと人の歩く道からは離れた場所を移動すると思われる熊に驚いてもらうにはこれでは効果は薄いのではなかろうか。熊の身になった事はないので分からないけれど、最初は音に驚いても、そのうち慣れてしまってあまり効果はないのではなかろうか、などとそれとなく質問してみたらハンターの気分を害したようで、せきたてられるようにして公園の外に追い出された。でも、秘境から聞こえて来た得たいの知れぬ音の秘密を知ることが出来たという秘境探検の成果があったので、満足している。
投稿者 esra : 2006年02月17日 10:47