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2006年02月23日
「市庁舎最上階茶室」
札幌市の市庁舎の最上階は19階である。この最上階に何があるかといえば、展望回廊と食堂とそして茶室である。今回の札幌秘境探検プロジェクトの引き金を引いた一つには、この噂に聞いていた茶室があった。新聞にこのプロジェクトの紹介が載って、そこでこの茶室についても言及している手前、これは見ておく必要がありと見学を頼み込んだ。市の知り合いの関係者も新聞の記事を読んでいたのか、打ち合わせの会議場所としてわざわざこの茶室に選んでくれた。
市庁舎の最上階には行ったこともなく、エレベータから出てみると、見晴らしのよい回廊がぐるりと四方を囲んでいる。冬なのでガラス窓越しにではあるけれど、札幌の市街を俯瞰できる。こんな展望のよい空間があったとは、長らく札幌市民であったのに知らなかった。そして、お目当ての茶室もあった。
砂利に敷石が敷かれ、写真のように鉢物の植物とつくばい(水はなかった)が置かれている。にじり口から茶室に入るようになっていて、風炉も切ってある。本格的である。さらに畳の部屋が隣接している。打ち合わせ後、茶を一服(順番は逆かもしれないけれど)という仕掛けになっている。
市庁舎にどうして茶室なのかというと、外国からのお客さんが訪れた時に日本情緒を味わってもらうためだそうである。しかし、そんな悠長なことをしている時間的余裕は、来訪者にも接待側開庁時間内にはないだろう。市民が利用してもよいのだそうであるけれど、市役所と茶の湯は相性が悪そうである。そこでここはほとんど知られていない秘境となる。大都会には思いがけないところに秘境があるものだと感じ入った。
投稿者 esra : 2006年02月23日 05:49