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2006年02月24日
「冬に出現する雪山」
冬に積雪のある札幌では、この積雪のせいで冬場だけに見られる景観がある。「札幌雪祭り」はこの積雪を積極的に利用した人工的景観であるとも言える。ただ、雪祭りには200万人近くの見物客が訪れるので、雪祭り会場は秘境の対極にある景観である。
雪像となる雪は観光産業に役立っているけれど、道路に積もる雪は厄介者である。札幌市は除雪のため冬期間だけで約150億円(2005年度)もの巨費を投じている。春になれば溶けてしまう雪に毎年これだけの除雪費が費やされるのだから、このお金を別のところに使えたら良いのにと市民の多くが思っている。
除雪は道路の雪を道路脇の集めることから始まる。しかし道路脇の雪は排雪しなければ道路幅はどんどん狭まる。毎年1月頃からダンプカーで排雪作業が始まる。雪は都心からあまり遠くない雪捨て場に集められる。そして、冬にしか見られない雪山が都心から少し離れたところに目立つようになる。札幌の道路がいかに広い面積を占めているのかは、これらの巨大な雪山を見ると理解できる。
写真は札幌テクノパークの入り口に架かるポン・ノッポロ橋から見下ろした排雪山である。雪山越しに、遠くに北海道百年記念塔が望める。この橋は谷を跨いでかなり高いところに架かっている。夏には下の方に小川が流れ、テニスコートなどがあるのが、運び込まれた雪で全部覆われてしまっている。
裾野に下りてみると、雪山は一つだけではない。ダンプカーが次々と雪山を造っていくので、いくつかの頂上が出現する。こんなところに雪山を見に来る人も居らず、日々少しづつ高くなって行く雪山は、冬の季節だけに現れる大都会の秘境の様相を呈している。
投稿者 esra : 2006年02月24日 14:51