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2006年03月13日
「eシルクロード・カフェ」
アジアの情報産業先進都市を結んで、ITを核にして現代の交易路を開拓しようという理念の下で、2001年に「eシルクロード」が開始された。このプロジェクトは、サッポロバレーと呼ばれている札幌の情報産業集積地の海外戦略の位置づけで、この年にアジア各国から企業家、研究者、行政担当者が札幌に集まってセミナーやコンベンションが開かれている。
同じ年には、JR札幌駅の南口の「そごうデパート」の跡に国内最大規模のパソコン販売店「ビックカメラ・ビックピーカン店」が開店し、同店が札幌に進出したご挨拶代わりに、eシルクロードの宣伝を行ってもらえることになった。写真は同店の地階から一階に上がる階段部分の壁面にあるeシルクロードの紹介である。eシルクロードがそもそも何であるかは内装された説明に書かれているけれど、来客はこの説明には目もくれないで通過して行ってしまうようである。
この内装と組み合わせて、同店の3階には写真の「eシルクロード・カフェ」というアジアン・カフェが開店した。カフェ内は東南アジア風で、混雑する店内での休息場所を提供していた。このカフェはその後札幌市の肝いりのビジネスセンターとしてリニューアルされたが、現在は同店の売り場に変わっている。eシルクロード・カフェの写真が手元にあまりなく、写真をもっと残しておくべきだったと思っている。
当初は、アジア各国から札幌を訪れるIT企業家や関係者が、一度はこのカフェを訪れる名所にすることはできないものか、との思いを持ったものである。しかし、それは白昼夢であった。数年前であれば秘境候補に挙げてよかった場所の痕跡は、前述の階段とエスカレータの両脇の壁に残っている装飾だけである。
投稿者 esra : 2006年03月13日 18:55