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2006年03月03日
「ポリテクセンター内N30遺跡展示」
地域産業及び企業の発展と勤労者の技術・技能向上を目的として、職業能力開発に関する相談・援助を行うポリテクセンター北海道は西区のJR琴似駅の近くにある。このポリテクセンターを建てる時、敷地内から縄文時代の遺跡が見つかりN30遺跡と呼ばれている。遺跡の説明のパネルが廊下の隅にあり、出土品も展示されている。
ポリテクセンターは写真のように立派な建物で、訓練のための受講生も目に付き、秘境の雰囲気などない。近くには琴似の繁華街もあって、決して辺鄙な場所にある訳でもない。しかし、考古学に興味のある人から見ると、こんな場所に遺跡の展示があり、訪れた人がこれに注意を払わないだろうところが秘境的と感じるのではなかろうか。
発掘調査は1995~96年にわたって行われ、まず縄文晩期(2200年前)の生活跡が、さらに縄文中期から後期(3500~3000年前)の遺物が出土している。その中には板状土偶もあって、ガラスケースの中に収められている。円形の墓や、そこにあったサメの歯、石鏃、石のナイフなども見つかっている。
ケースに収められた黒曜石の鏃なんかをみていると、縄文時代に鏃を作るスキルが高かった者が未熟な者に教えていただろうから、この場所は縄文時代のポリテクセンターがあったかも知れないという思いに囚われる。
投稿者 esra : 2006年03月03日 03:23