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2006年03月04日

「ハイテクヒル真栄」

 ここを秘境と表現すると異論が出そうである。しかし、札幌市が最初に描いた青写真の通りに、ハイテク企業がこの企業団地に社屋を建てた状況を想像すれば、現状との差を考えて秘境と表現したくなる。また、冬訪れると景観的にもそんな雰囲気もするところである。

 1980年代に札幌の情報産業は新しい展開を迎えた。札幌市が厚別区下野幌に開発したテクノパークには地元のIT企業が社屋を新築し、その成功は本州のIT企業の誘致を柱にした第二テクノパークと発展して行った。これらテクノパークの面積は28ヘクタールで、札幌市はさらにその1.5倍の42ヘクタールの土地を清田区真栄に確保して本州の大手IT企業3社と契約を交わし、この3社が施設を建設しようとした時にバブルがはじけた。

 経済環境が激変したことにより、これらの大企業の施設は建設されずに十年以上が経過して現在に至っている。現在3,4社の企業の社屋や施設が建っているけれど、これら当初に想定した企業のものではない。当然ながら、土地の大部分が空き地であり、冬期間は雪野原が広がり、一部は雪捨て場と化している。

ハイテクヒル真栄2A.jpg

 もともとのコンセプトはテクノパークを踏襲しており、豊かな自然環境の中にハイテク企業が立地することであったため、緑地帯の中に分譲敷地がある。緑が濃くなった時期に訪れると、ここはなかなかよい場所ではなかろうかと思われる。

 このハイテク企業団地の近くに、アンデルセン福祉村というのがあって、福祉看護の学院と老人保健施設が一体となって建っている。学院の学生とおぼしき若者が歩いていて、駐車場には車が並んでいる。ハイテクヒルの閑散な様子と比べると、人の姿が目に付くこちらの方が世の中のニーズに合っているのかも知れない。ITを中心にしたハイテク産業から福祉産業に流れが変わって来ている一面を見ているようである。

ハイテクヒル真栄1A.jpg

投稿者 esra : 2006年03月04日 04:13

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