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2006年03月11日

「日本基督教団札幌協会礼拝堂」

 この礼拝堂が札幌市の都市景観重要建築物に指定されたと新聞の朝刊に出ている。これは秘境探検の対象になると、新聞記事を見たその日に訪れてみた。創成川沿いの国道五号線の北一条のところの西側に面していて、この幹線道路を通る時に目にする建物である。札幌軟石で出来ているのが外観からも分かり、ビルの谷間に埋もれていても存在感がある。

礼拝堂外観A.jpg

 中世ロマネスク風建築の礼拝堂の外側をカメラに収めてから、ドアを押してみる。玄関の内側には履物棚があって、たくさんのスリッパがきちんと並んでいる。しかし、人の気配が無い。礼拝堂とおぼしきところのドアは開かない。そこで二階に上がってみる。ここにも人は居ない。二階のバルコニーのところからこじんまりとして簡素な写真の礼拝堂を見下ろすことができる。二階の壁にはめ込まれたステンドガラスが美しい。

 この礼拝堂は以前は「札幌美以教会堂」と呼ばれていた。ここで「美以」とはメソジストの意味である。メソジストはメソッド(規則正しい生活方法)を重んじることに由来して、18世紀に英国で起こったキリスト教の信仰覚醒運動に端を発している。ピューリタン的性格の宗派で、開拓時代のアメリカで盛んになった。それで礼拝堂も質素なものなのかと推察するのだが、昔の建物なのでそうなったのかも知れない。

 著者一人しかいない礼拝堂はそれなりに秘境なのだが、いつも秘境である訳ではなく、信仰の時間には信者が集まってくるのだろう。でも、宗教は信者が大勢集まってもいても秘境っぽい感じがする。メソジストなんていう言葉を聞くとなおさらである。

礼拝堂内部A.jpg

投稿者 esra : 2006年03月11日 16:31

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