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2006年03月12日
「JR札幌駅北口地下歩道」
大都会札幌の玄関口のJR札幌駅は線路が東西に走る関係で南北に主要出口がある。この出口の南口は商業地区、北口は合同庁舎や北大が控えている関係上官庁・大学地区と大まかな性格付けができる。大都会の駅につながる地下歩道はどの都市でも人で込み合っているのが普通である。しかし、札幌にはこの地下歩道の秘境が存在する。
秘境の地下歩道は北口西通と北口東通の地下を通り地下駐車場の横を抜ける二本と、この二本の歩道を結ぶ二本がある。写真は午後の遅い時間と出勤時間を少し過ぎた時間帯のこれらの歩道の様子で、南口を通り抜ける歩道は大都会の賑わいを見せているのと対照的にちらほらとしか人が通らない。モダンな彫刻や壁面のパネルのある立派で広い地下歩道に通る人がまばらな様子は、これぞ大都会の秘境の観を呈している。
どうしてこんな人通りの無い立派な地下歩道が作られたのかは謎である。地下駐車場に行くだけなら、その目的に合わせた適当な広さのものを作ればこんな秘境空間は生まれて来なかったろう。予算の立て方を間違えたか、利用客の予測を間違えたか、何かが間違っての結果のようである。
歩道の途中には札幌市の姉妹都市、アメリカ・ポートランド市、ドイツ・ミュンヘン市、中国・瀋陽市、ロシア・ノボシェビスク市の入り組んだ立派なコーナーがある。でもだれも立ち止まって見もしない。照明も展示に合わせていて、電気代も馬鹿にならないだろうに。秘境の条件の定義はいろいろあると思われるが、持参の弁当を誰の目も気兼ねしないで食べられるところ、というのもある。著者はこれらの姉妹都市の一つのコーナーで白昼弁当を広げて食べたが、食事中誰の視線を浴びることもなかった。げに、大都会の秘境である。
投稿者 esra : 2006年03月12日 04:03