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2006年03月16日

「都心北融雪槽」

 札幌の市街地の雪は二つの方法で処理される。一つは集めて雪山を作り、春になって融けるのを待つ方法である。もう一つは強制的に融かす方法である。この2番目を採用した融雪槽がJR札幌駅の北口のバスターミナル横の地下にあるとは知らなかった。知らないのも当然で、都心部の道路からダンプトラックで運ばれた雪がこの融雪槽に投げ込まれる作業は深夜に行われていて、一般の人が目にすることはまずないからである。

 昼間、この融雪槽の蓋の部分を見ると写真のようなものである。注意して見ると、確かに投雪口誘導表示盤の文字が見え、監視カメラが下の地面に向けられている。つまり、雪を満載したトラックが来ると、監視カメラの向いている地面の蓋が開いて、ここに雪が投げ込まれるようになっている。当然その下は巨大な融雪槽となっている。

融雪槽外A.jpg

 この地下にある融雪槽の様子を市の関係部局に頼み込んで覗かせてもらった。融雪槽は幅23m、長さ33m、高さ6mの4千立方メートルの容量がある。1日にダンプトラック286台分の雪を投げ込んで、40度の温水で1日で溶かしてしまう能力がある。温水の方は暖房用に札幌エネルギー供給公社が供給している温水を、熱交換器を介して利用する。通常は融雪槽として用いており、最後に投入された雪については、それが融けるときに周りから奪う熱を逆に冷房に利用する。

 写真はこの冷房に使う状況で雪が融けて来ている融雪槽内の様子で、まだ融けていない部分の雪が柱状になっているのが分かる。融けた水の方には泥やごみを含んでいて、きれいな水ではない。このきたない水を冷房に使うため、熱交換器を二段にして、泥水がきれいな温水と混じらないようにしているところを、巨大なパイプが入り組んだ地下の機械室で確かめた。大都会の地下には生活を快適にするための舞台装置がひっそりと息づいて活動しているのを目の当たりにして、都心部の地下の多様性を知ることになる。

融雪槽内部A.jpg

投稿者 esra : 2006年03月16日 19:14

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