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2006年03月18日
「札幌競馬場」
競馬には縁がなかった。北大のキャンパスに接したようにしたようにあるこの競馬場に、誰かが馬券を買いに行くのに金を集めたのに加わったような、加わらなかったような、あやふやな学生時代の記憶がある。むしろ北大に勤めるようになって、競馬場の横を自転車で大学に行く週末に、馬券を買う人の車で道路が混雑していた記憶の方がはっきりしている。その後、街の中にも場外馬券場が出来て、この混雑もなくなった。
競馬場を地図で確かめると、その敷地はかなりの大きさを占めている。北大の第一農場ぐらいありそうである。敷地総面積は52万5千平方メートル(16万坪)で、この大きな広場が塀の中にある。冬の間はこの広場は雪に閉ざされているだろうから、都心にある広大な秘境といえる。競馬場の持ち主の日本中央競馬会(JRA)に頼み込んで、入場者のいない競馬場を覗かせてもらった。
写真の正面の大きな建物の入り口からスタンドに入る。スタンドから眺めると、砂場のダートコースの部分の雪が融けていて、ここを馬が疾走していく状況を想像する。ダートコースの外側の芝生のコースはすっかり雪に覆われていて、どこがコースかはほとんど分からない。写真に示すように、スタンドに向かって中央に巨大な映像表示板と着順表示板が見える。写真の背景の左側遠くには北大の建物、さらに中央に一段と高いJRタワー、その右側には市内の高層建築が写っている。
JRAの出している札幌競馬場のパンフレットに、1936年(昭和11年)撮影の三角山から見た競馬場全景の写真が載っている。この写真では競馬場の周りは田畑ばかりで、人家もまばらである。それが今やビル、道路、線路がどんどん出来て、それに囲まれた格好で馬の走るための広場だけが昔のままで残っている。冬は人が訪れないという意味での秘境が、昔ながらに綿々と続いて来ている。
投稿者 esra : 2006年03月18日 04:34