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2006年03月18日
「旧北部司令部防空指揮所」
「「北の大本営」買収は困難」との新聞の見出しが目に留まった。札幌の市民団体「札幌郷土を掘る会」が札幌市に対して、買収・保存を要請していたこの施設について、多額の支出が必要なため、買収は困難だとする回答が札幌市からあったという内容である。政府は土地を含めて売却方針で、そうなれば施設は取り壊される懸念が大きいらしい。
消えて行く予定の建物や施設は秘境として取り上げる方針なので、早速写真を撮りに行くことにする。場所は豊平区月寒東二で、月寒中学校と道路を挟んだ位置にある。地図で見ると陸上自衛隊札幌駐屯地と地続きで、月寒送信所と記されている。いまでも防衛施設の一部らしい。
住宅街に隣接して、この朽ち果てた二階建ての鉄筋コンクリートの施設を近くで見ると、冬景色も加わり大都会の秘境の趣である。一般市民が敷地何内に立ち入らないように鉄条網で囲まれているので、敷地内にも建物内にも入れない。この施設は太平洋戦争時に札幌への空襲に備えて、戦争のさなかの1943年に完成している。北部司令部の現存する唯一の施設である事もあって、前述のような保存運動が続けられている。
戦争中は北部方面の各部隊との情報のやり取りを有線、無線で行っており、擬装のため壁は黒く塗られ、建物の屋根には土が盛られて草が生い茂っていたそうである。戦後は防衛庁の送信所となって現在に至っていて、確かに敷地内にアンテナが立っているのが認められる。戦争が終わってもう六十年は経つ。戦争の記憶も建物もこの長い年月で風化しているのを、この施設で確認できる。
投稿者 esra : 2006年03月18日 15:50
コメント
サコナ様、コメント有難うございます。何度かこの場所を取材しているのですが、柵外から建物を撮影するだけで、内はどうなっているのだろうかと話していました。コメントにある内部が見る機会を捕まえることが出来れば、写真の1枚でも撮っておこうと思っています。
投稿者 aoki : 2006年06月30日 03:03
初めまして、サコナと申します。旧北部司令部
防空指揮所の内部を撮影したいと思いまして、
現在敷地を管理している北海道財務局にメールを
しましたところ、次のような返事がきました。
転載します。
>北海道財務局財務広報相談官です。
>お尋ねの建物について、今のところ当局におい
>て取壊す計画はございません。平成19年度に
>建物を残したままで跡地全体を一般競争入札に
>より売払する予定でおります。
>また、当該建物について個々の内覧のご要望は
>お受けしておりませんのでご了承願います。
>なお、一般競争入札に際して入札参加希望者の
>現地案内(見学)を実施しますので、その時に
>業務に支障のない範囲内で内覧していただく
>ことは可能かと思われます。
>具体的な現地案内(見学)の実施時期につき
>ましては、入札の公示後(現地看板、当局ホー
>ムページ、新聞等でご案内)、北海道財務局
>未利用財産処理班にご確認願います。
まだ先の話ですが、入札現地案内の時に、敷地内
に入って撮影出来そうです。
投稿者 サコナ キミノブ : 2006年06月29日 20:42