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2006年03月20日
「地図と鉱石の山の手博物館」
山の手と西野は発寒川を境にして分かれる。道道北1条宮の沢線が発寒川を横切る山の手側にこの博物館がある。車で通ると、ガラス張りの4階建てのビルの側面に大きく博物館名が出ていて、一度は覗いてみたいと思っていた私設博物館である。このビルには札幌の大手の建設会社が入っていて、バブルがはじけて経営が行き詰まったこの会社がビルを手放した経緯があり、最初から博物館の造りになってはいない。そんな予備知識があったので、人の行かない秘境っぽさを感じていた。
今回初めて訪れ玄関を入ると、少し低くなった1階のフロアー全体が見渡せ、鉱石の標本が並んでいる。この博物館は建設コンサルタント会社の一部門として運営されているとのことで、会社の社員が学芸員も務めている。そうでもしないと私設博物館の経営は成り立たないだろう。鉱物好きなら、この博物館の秘境度は人に邪魔されずじっくり見ることができる満足度につながるだろう。
著者は鉱石についてはずぶの素人で、この博物館の自慢のものを聞いてみる。答えは写真にある北海道の鉱石が充実していることだそうである。北海道の地名がついた鉱物もあり、「手稲石」と命名されていて、組成で言うと亜テルル酸塩鉱物だそうである。新種の鉱物はどのように認定されるのか、北海道の豊羽鉱山が閉山になれば残る道内の鉱山は金鉱石を採掘している「光竜鉱山」だけになる、鉱山が無くなると展示する鉱石の入手が難しくなる、等々の説明をしてもらった。
地階には北海道の地図の展示があって、伊能忠敬の地図(のコピー?)や古地図が展示されている。色眼鏡で立体視を行って立体感を出す床に描かれた北海道地図の上を歩いたついでに、著者が地図データから利尻島や北海道が立体的に見えるホログラムを制作した研究例をちょっと話したけれど、鉱石の説明には詳しかった説明員にはあまり通じなかったようだ。専門が異なると、話はお互い秘境に入ってしまう。
投稿者 esra : 2006年03月20日 04:20