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2006年04月08日

「旧拓銀本店」

 現在は北洋銀行大通支店になっているこの建物は1961年に建てられているので、もう45年が経っている。地下2階、地上7階の優雅なこの建築物は年内にも取り壊わされてしまうらしい。それなら秘境として記録しておかねばなるまい、と外観を写真に収めた。当然ながら内部の写真も、と店内の案内係りに許可を求めるとあっさりと断られた。

 こうなると行内の知り合いを頼るしかない。肩書きでは同行のきわめて上の知り合いの方に頼んで、客が店内から居なくなった時間に、大名行列よろしく同行の幹部の方々に付き添われて行内撮影となった。地下にある写真の貸金庫の内にも入れていただいて、金庫のぶ厚い扉をカメラに収めて来た。貸金庫を利用する人には見慣れた場所だろうけれど、貸金庫に縁のない著者にとっては大都会の秘境を感じた。

旧拓銀本店金庫A.jpg

 窓口が並ぶところは2階までの吹き抜けとなっていて、大理石を張った大きな柱が天井まで届いている。店内全体が広い空間となっていて、2階から見下ろすと仕事をしている行員が小さく見える。札幌の一等地に贅沢な空間を作り出したものである。この空間が取り壊された後には、20階建ての高層オフィスビルが建つそうで、そのビルにはこの大きな空間は残らないだろう。

旧拓銀本店内部A.jpg

 取り壊しの時は大理石の板もその他のものも一緒くたに壊されてしまうらしい。柱の大理石の石板一枚を持ち出すのも難しいようだ。これはもったいないが、取り壊し費用を切り詰めるとそのような処置になるらしい。大理石には小さなアンモナイトの化石が見つかっていて、その部分もみせていただいた。この部分ぐらいは切り取って残しておいてもよいだろうに、と思っても著者の希望が通る訳でもない。せめて写真にでも、と撮影したものをここに載せておく。

旧拓銀本店化石A.jpg

投稿者 esra : 2006年04月08日 01:37

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