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2006年04月10日

「石山緑地」

 札幌軟石の石切り場を公園にしたこの緑地は、南区石山の国道453号線沿いにある。公園は北ブロックと南ブロックに分かれていて、北ブロックは1993年にオープンしており、札幌軟石の石切り場跡は南ブロックの方にある。緑地といっても、春先には目に入る緑もなく、地表から突き出した岩と石切り場跡の崖、枯れ木、石の造形、そして残雪があるだけである。

 ここで切り出される札幌軟石は、支笏火砕流堆積物が岩になったものだそうで、公園はこの堆積物が地上に顔を出しているところを観察できる場所でもある。札幌軟石は市内をはじめ近隣都市の建築物に利用されていて、それらの建築物は現在でも目にすることができる。写真に示すように公園内の造形物にもこの軟石が使われている。

石山緑地1A.jpg

 南ブロックの石の造形は彫刻家集団サンク(CINQ)が手がけている。このフランス語と思われる名前から、5名のメンバーによるものと分かる。そのうちの一人の彫刻家は筆者も知っていて、過去に筆者が関係した賞のブロンズ像を制作していただいたことがある。

 南ブロックには、写真のように一方に札幌軟石を切り出した跡の崖があり、その周囲に階段状の石のテラスが設けられ、中央に石のアーチが造られている。ここを舞台にしての演劇などが行われていて、その時は岩場を効果的な舞台装置とするためにライトアップして暗闇に浮き立たせている。それが異空間を生み出すだろうことは、白昼においてもこの場所から想像できる。

石山緑地2A.jpg

投稿者 esra : 2006年04月10日 02:21

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