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2006年04月16日
「大乗院」
宮の森から盤渓峠を越えて盤渓に通じる道筋にこの禅宗のお寺がある。山道で辺りに建物がないところに、忽然とこのきらびやかな寺院が現れるので、秘境の候補になるかと立ち寄ってみる。不動明王、小坊主、狸、観音とバライアティに富んだ像が置かれている。笠を被って酒瓶を持った狸の大きな置物が、どうしてお寺の門前にあるのか解せない。色んな像が混在すると、全体がキッチュな感じがする。
境内には世界一という写真に示す大鏧(だいきん)がある。鏧とは、僧侶が手に持って鳴らすお椀状のカネを大きくしたものである。世界一というだけあって、直径2.4m、高さ2.1m、重さ3tもある。錫と銅に金銀を混ぜて鋳造している。この鏧は時を知らせるものでないので、この境内を訪れた人が自由に鳴らすことができる。そこで、実際大きなつき棒で大鏧を鳴らしてみる。大きな音がして、金属の塊の振動が収まるまで時間がかかる。一分三十秒は振動し続けると説明に書かれていた。
写真には狛犬と観音が写っていて、狛犬なら神社の雰囲気なのだが、薬王寺と国安寺の二寺が大乗院でまとめられてここにあるのだそうで、やはりお寺である。写真の建物はペットの納骨堂である。心優しい飼い主に看取られたペットは、納骨の場所も与えられる時代である。ペットの納骨堂があれば当然ながら人のお墓もあって、寺院の屋内に外気に晒されない墓が並んでいた。室内でも、通常の形の墓であるところが妙な感じである。
春先だったので、寺の周囲の木立に緑はなかった。お寺の関係者の話では、緑の季節には、この辺りの景色はなかなかなものだそうである。夏には辺りの山々が濃い緑で覆われ、マイカー族ばかりではなく、ハイカーにも人気のある山道なのだろう。
投稿者 esra : 2006年04月16日 04:05