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2006年05月04日
「北海道神宮頓宮」
札幌市の中心部から少し離れた南2条東3丁目の一角にこの神社がある。頓宮とは仮の宮殿で行宮(あんぐう)と同義であると辞書にある。神社本社の仮の場所ぐらいのところが、独立した神社の体裁を整えるようになって行ったのだろう。
神社の境内にある由来の説明では、大国魂神(おおくにたまのかみ)、大那牟遅神(おおなむちのかみ)、少彦名神(すくなひこなのかみ)の開拓三神に、この神社に詔勅を出した明治天皇も一緒に祭られている。1878年(明治11年)札幌神社(現在の北海道神宮)の遥拝所として創建され、一時焼失した歴史がある。
この神社には札幌で最古の狛犬があるというので、探検の対象にした。週日の昼どきのせいか、街の中にあるこの神社には人影がない。参拝者の居ない拝殿の両脇に写真の狛犬が二体向き合っていた。札幌軟石で造られ1890年(明治23年)に奉納されたというこれらの狛犬は、確かに年季が入っている感じである。この狛犬は「出雲型」と呼ばれるそうで、狛犬の形にも名前がついているとは知らなかった。出雲型の名前がついているのは出雲石(来待石・・・きまちいし)で造られた狛犬が広まったことによる。また狛犬は写真のように構えているものと、座り姿のものに大別される。
この境内にあるものはその他にも古そうなものがある。境内の石灯籠は道内最古と言われている。各種の碑もあって、天皇・皇后来道記念碑もある。社の裏側には大社札幌神社頓宮の文字が刻まれた写真の石碑なんかもあって、古いものに違いない。
北海道神宮の末社のこの頓宮は、当然ながら北海道神宮のお祭りと連動していて、毎年6月に行われる北海道神宮例大祭の神輿渡御でここが一つの中継地となっている。境内には志望校入学の絵馬(木札)がぶら下がっていて、4月の入学時からほどない時期であることに気づかされた。絵馬は、的の中心に矢が当たったもので、これはずばり大願成就を絵で表している。
投稿者 esra : 2006年05月04日 02:30