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2006年05月06日
「サッポロピリカコタン」
定山渓の手前の小金湯温泉にある「札幌市アイヌ文化交流センター」の愛称としてこの言葉が用いられている。ここで、「ピリカ」とはアイヌ語で「美しい」とか「可愛い」という意味である。「コタン」はアイヌの住む住居地で、表題のものは「美しい村」といった言葉となる。施設のパンフレットの表記では「ピリカ(pirka)」と「リ」が小さく表記され、ローマ字表記では「r」だけなので、日本語の「リ」の発音ではないようだ。因みに札幌はアイヌ語の「サッポロペツ(sat poro pet)―乾いた広大な河」から来ている。
GWの後半、天気も良かったので、札幌から定山渓への国道230線が混まないかと少しばかり危惧しながら、このピリカコタンの見学に出向いた。午前中のせいか、見学者は最初は探検隊だけしか居なくて、アイヌの家チセやプ(倉)を復元した歴史の里から見て歩いた。チセの内は写真のように、住居空間がガランとして、確かにパンフレットにある「アイヌの人々が大自然の中で暮らしていた時代へのタイムスリップ」を体験できたような気もする。もっとも今回は秘境探検なので、秘境感を体験できたかどうかが問題だった。
交流センターは3年前に開館した新しい施設で、立派な交流ホールや情報コーナーがある。展示室もあって、こちらは200円の入室料を支払って見学することになる。展示室には写真のようなアイヌの生活に使われた諸々のものが新しく作られて展示されている。触れても写真を撮ってもよい。ビデオ装置もあって、他に見学者も居ない館内で再生して見て、札幌市内でアイヌの祭りなんかが行われているのを映像で知った。
さて、ここが秘境かどうかは判断に苦しむ。意外性という点では、最初からアイヌ文化に関する展示と分かっているので、それを知って行くと興味ある展示であっても意外性は少ない。人の行かないところ、とい意味では見学者は多いとは言えなくても、誰も来ないという訳でもなさそうだ。ただ、コストパーフォーマンスは悪そうで、秘境化に進む気配もありそうなので、ちょっと心配である。
投稿者 esra : 2006年05月06日 15:33