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2006年05月09日
「早朝のススキノ」
歓楽街ススキノは夜は人で賑わっていても、早朝は秘境感が漂っているだろうと見当をつけて出かけてみた。特に日曜日の早朝なんかは誰も歩いてはいないだろうと予想して出向いてみたら、これが期待はずれであった。
まず、タクシーが客待ちで並んでいて、酔いつぶれたような一団も目につく。考えてみると、土曜日の夜から飲み始めて、日を跨いだ連中が帰るタクシー代を節約すれば、ススキノ界隈に朝まで人がたむろしていても不思議ではない。そのうち始発の地下鉄やバスを待ちきれない客を求めてタクシーの群れが早朝のススキノに集まっているのも当然な成行きである。
しかし、早朝のススキノは秘境である、という仮説を正しいものにしたい気持ちを抑えきれない。土曜日の夜にススキノに店が開いているのから人が朝まで残っているなら、店の閉まる日曜日の翌日の朝、つまり月曜日の早朝なら人も居ないかとまた出かけてみる。
確かに、写真のようにススキノの中心部の札幌駅から伸びる大通の南5条付近でも、早朝の5時台には人はまばらである。タクシーもそれほど走っている訳でもない。さて、これをもって180万都市札幌の秘境と表現してよいかどうか、評価はまちまちとなるだろう。
ただ、歓楽街の早朝には哀感が漂うのはどこも共通ではなかろうか。写真のように、足を止める歩行者の居ない路上で、わめくように歌っている若者なんかがこの哀感を増幅させる。すれ違う、夜を徹したと思われる人の顔にも疲れのかげが濃い。秘境探検なんかで張り切っている、朝起きの著者の対極にある顔である。
投稿者 esra : 2006年05月09日 02:43