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2006年05月18日
「大都会の小川-安春川」
この川は人工の川である。その成り立ちは古くて、1890年(明治23年)に湿原の開墾ために屯田兵によって開削が行われて、地図上でも直線の川が出来た。その後、札幌の都市化が進み川は干上がり川とは言えなくなっていた状況で、下水道水緑景観モデル事業に採用され、1988年から河川敷の整備が行われた。下水道の高度処理水が流されて、現在の水辺に蘇ったという大都会の小川(一級河川ではあるけれど)の歴史がある。
道路も川も真っ直ぐな北区新琴似を流れる安春川まで、迷わず車で着いてこの川の両岸を散策する。それにしても立派に整備された川である。しかし、ここは水が流れているけれど、いわゆる川というより用水路の感じに近い。週日の午前中に、長々と続く散策路を歩いても人に会うことはほとんどなく、たまに犬を散歩させている年配者に出会うぐらいである。お金をかけて立派な水辺の散策路を作っても、利用する人がいないのではもったいないことである。
冬季に雪を安春川に投げ込んで川を汚さないようにとの配慮で、両側の道路の流雪溝が設けられているそうである。国の事業となると、お金をかけてとことん整備が進むようである。整備に比例して川は人工的なのものなって、自浄作用のある自然の川から遠ざかってしまう。「春の小川はさらさらゆくよ。岸のスミレやれんげの花は…」の春の小川は都会ではもう見られなくなって、ここに遊ぶ子供達の小川に対するイメージが変わっていくのも時代の流れか。
人が来ない代わりに鳥が来るようで、写真のように鴨が流れで遊んでいた。鴨にとってはよい水辺ができたに違いない。
投稿者 esra : 2006年05月18日 03:06