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2006年05月19日

「熊の出る西野市民の森」

 札幌は南と西に山が連なり、山に入ることで市民が容易に自然を満喫できる。札幌の魅力の一つである。しかし、北海道ならではの問題点もある。それは熊の出没である。札幌を取り囲む山々の裾野には多くの散策路が整備されていて、雪のないシーズンには歩いて楽しめるのに、熊がそれを妨げ秘境化させている場所もある。

 西野の「中の川」に沿って登って行くと「西野市民の森」の入り口に到達する。ここから2キロ程の散策路を歩けば宮丘公園へでることができる。しかし、散策路の入り口には熊出没注意の看板が出ている。加えて、入り口近くには写真のように「市民の森ではヒグマに注意しよう」という大きな看板も設置されている。臆病者の筆者にはこれは相当なプレッシャーである。一人歩きでもあるし、何かあれば一目散に逃げようと(熊と遭遇した場合は悪い対処の仕方とは聞いているけれど)心に決めて、恐る恐る熊出没注意の看板を越えて行く。

西野市民の森熊出没A.jpg

西野市民の森看板A.jpg

 熊の心配がなければ、この散策路は新緑の季節には快適である。散策路の途中までしか行かなかったけれど、中の川の源流に近づいて清流を楽しめる。散策路は王子製紙の私有地内の道にもつながっていて、その道を登っていくと手稲山の山頂に通じるらしい。しかし、本格的な山歩きには食指がのびないので、本当にここから手稲山頂まで行けるのかどうかは調べてもみなかった。

 それにしても、人里近くでの人間と熊の共存とは難しい。市民の森の入り口の注意書きにも書いてあったように、熊は食べ物を求めて歩き回っているので、食べ物の残りを捨てたり、埋めたりしないようにするのが、散策路を利用する上でのマナーとなる。熊にマナーを教えることができない以上、人間がマナーに気をつけるしかなく、せっかくの散策路を秘境化させないようにするささやかな気配りでもある。

投稿者 esra : 2006年05月19日 03:16

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