« 彫刻俳句行 | メイン | 「そうせいばし(創成橋)」 »
2006年07月04日
テレビ取材考
「札幌秘境100選」プロジェクトのテレビ取材が続きました。昨日(7月3日)NHKの「ほくほくテレビ」が(多分)最後で、テレビ取材の一段落です。各社の取材の印象が薄れないうちに感想を書いておきます。
一番最初に取材を受けたのはUHBの「のりゆきのトークで北海道」で、メディア制作会社(民放では純粋なニュース番組以外はほとんどメディア制作会社が番組内容を請け負って作っています)が取材して、これを編集して放映するのかと思っていました。雪のちらつく豊羽鉱山や無意根山荘まで出向いての取材協力を行いました。これはオーテックの鈴木氏と二人でした。
しかし、これは前述の番組内で、テレビで宣伝してほしいイベント等を視聴者から募って放送するコーナーで、顔見せの部分で30秒の枠内で宣伝内容の紹介を行い、4名の審査員がさらにイベントの内容を紹介する時間を割り当てる、という設定のものです。面白そうなら紹介時間が多くもらえるという競争的な味付けを行っています。
これは生放送でリハーサルもあり、こんな番組であったのは取材後で知ることになるのですが、秘境のブログと掲示板に投稿しませんか、といった宣伝を行う形でテレビ側に協力しました。他のイベント紹介者はテレビ側が紹介者に便宜を図っている構図となっています。テレビ会社が取材者に協力を求めているのか、出演者がテレビ会社に宣伝をお願いする形なのか、お互いの関係がちょっとずれると180度異なる関係となります。
上限2分のところ1分15秒をもらっての宣伝することになりましたが、この時間に納めて話すのは生放送では難しいものがありました。この生放送は3月3日に放送され、番組名になっている佐藤のりゆき氏とは面識があり、番組終了後にちょっと立話をしました。
HTBは朝の番組の「おはよう遠藤商店」で2回取り上げてもらいました。最初この番組名を聞いてスポンサーが遠藤商店なのか、あんまり聞いたことのない店だけれど何を商いにしているのかと思いました。これはキャスター(コメンテータ)が遠藤氏で、その名前から番組名が来ているのを後で知りました。
こちらもメディア制作会社による取材でしたが、二回とも取材の打ち合わせを筆者が韓国にいる時にメールで行っています。この取材は担当の形部氏と女性のアシスタントがペアでビデオを録画していました。秘境探検のヘルメットも被せられて、指示とおりの演出をこなしました。初回は秘境の順番をつけて編集しており、なかなか取材に力の入った内容になっていました。これはメディア制作会社がよい内容のものを制作しないと、次の注文が来なくなるためかな、と思いました。
「遠藤商店」の2回目は本当に人の近づけそうもないところに行く予定を組んで来ましたが、これは警察への問い合わせで、閉鎖されている私有地で熊出没の危険性もあるから、ということで直前に中止となりました。一緒に行くことになっていた、自然秘境志向の探検隊員の面々はがっかりしたでしょうが、私としてはほっとしました。2回目には取材協力のお礼として菓子折りをもらいましたが、取材で筆者を使っているのに結構気を使っているのだと感じました。本来はテレビ局が取材協力者にお礼するところ、番組制作の下請け会社がそれを行っている構図かと思いました。
「遠藤商店」では4月27日に初回が、6月14日に続編がテレビ放送されました。1回目に続く続編が放送されることになったのは、それなりに放送局で評価したからでしょうから、2回ともヘルメットを持って一緒に現れた形部氏と女性アシスタントにとっても仕事になってよかったことだと思っています。
HBCの今年4月から始まった「Hanaテレビ」はその日の出来事のニュース番組の感じです。午前中、「札幌秘境100選」展を行っている北洋銀行大通支店の副支店長を介しての連絡があり、取材の申し込みです。ちょうど都心部の歯医者に居た私の携帯への連絡で、歯医者からHBCの本社に直行して、その場でその日に回れる取材場所が決められ、旧北部軍防空指揮所や新善光寺を回りました。
コーナーキャスター(つまりはテーマごとのアナウンサー)の堀氏に取材中に話を聞いたのですが、今回のようにその日の朝に取材対象を決めて、取材・編集を行って夕方の放送に間に合わせる自転車操業なのだそうです。北洋銀行の写真展の映像も撮影するとのことでしたが、銀行は営業時間(9時~午後3時)中は行内でのカメラ撮影は禁止で、午後3時以降に録画撮りで、それを編集してその日の夕方に放送するのは事件を追っかけているニュース番組そのものです。
今回はたまたま私が携帯でつながったから取材に入れたけれど、私が出張なんかでは別の対象をみつけなければならない、ということを毎日やっていては身が持たないではなかろうか、と思っていると、実際スタッフは疲れているのだそうです。このような職場に関係していなくて良かったという感想です。
Hanaテレビでの放送は6月21日でした。この記事を書いている今日もあの調子で取材に飛び回っているのかと思っています。
一番長い時間取材に協力したのはSTVの「どさんこワイド」でした。足掛け3日の取材協力で、4日目にNTTの洞道は、と言われてはさすがに辞退しました。札幌秘境100選の出版の打ち合わせの現場での取材もあり、居合わせた関係者にカメラを回しての取材もありましたが、本番の放送では全部カットされていました。テレビに出るのを期待していたであろう取材を受けた方々には済まない気がしています。
自宅まで来ての取材で、これも色々注文に応じました。STVの番組はキャスターの萩原氏を始め、ディレクター、カメラマンがSTV側と応援のメディア制作会社がそれぞれやりくりしてチームを組んで録画撮りを行っていました。他局に比べ人手がかかっている感じです。
ただ、放送時間に比べて、録画撮りが多すぎるのではなかろうかと思いました。沢山撮って、沢山カットすればよい内容になるかもしれませんが、これは取材対象に支払いが生じないからできるテレビ・ビジネスの特殊性から来ています。出演者の人件費をカウントしなくてもよいのは、通常のビジネスでは考えられないことで、こんなに時間をかけて撮影したものを惜しげもなくすてているのは、通常のビジネスのやり方では経費上では成り立たないだろうと思いました。放送は6月27日でした。
最後に取材を受けたNHKは「ほくほくテレビ」のものでした。NHKの取材が一番教科書通りのものではなかったかと思います。事前に取材源と接触して、局側(ディレクター)が取材の方針を決め、取材のシナリオを作成して、余分な取材は極力排して、という具合に進行しました。NHKの場合自前のスタッフで取材して、この点でも制作者の意図が直接放送につながっています。NHKの取材で始めて北大構内が取り上げられました。NHKと大学は相性がよいのかも知れません。
取材方針も街角の知られざる場所を楽しみながら見つけて歩く、という方針で、放送されたものを見ると、取材と編集は方針に沿ったものとなっていました。NHKの取材では河村ディレクターと磯野キャスター(アナウンサー)が取材に同行しました。参考にするため「ほくほくテレビ」を事前にちらっと目にしていたのですが、この番組のアナウンサーが取材に現れた磯野さんと同一人物とは気がつきませんでした。テレビに映ると女性は変わるのか、自宅のテレビがほんの少し横に伸びて顔の感じが変わるのか、メイクのせいか、私の眼が悪いのか、結論は出ていません。
北海道にはその他TVHのチャンネルがあるのですが、この局は東京のキー局の番組を流しているだけで、自前のものを制作しているようには見えないので、一応札幌のテレビ局全部で札幌秘境が紹介されたことになります。こんなことは長い北大勤務でもなかったことです。
投稿者 esra : 2006年07月04日 10:34
コメント
鮫島様 テレビを見ていていただけましたか。「札幌秘境100選」を出版したとき少しは売れるようにとTVに露出して宣伝しているところもあります。これまでかなりの数の自費出版を行っていて、ほとんど売れないという経験をして来ているものですから…
投稿者 aoki : 2006年07月06日 02:29
青木先生、こんばんは。
私が、このブログを知ったのは、
夕方、チラ見したテレビがきっかけでした。
TVは不思議な生き物ですが、宣伝してもらえる媒体としては、魅力があると思います。
これからも、ご活躍を☆☆☆
投稿者 鮫島礼子 : 2006年07月05日 22:26