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2012年05月07日
・・・・前回から続く・・・・
昔昔のあの頃、おトしゃんは夕張で開催された『民衆史を語る会??』とかなんとか云う研究会にカオを出し、勉強のような事をしたりしていたのです。
遠い遠い記憶なのだけれど、たしかここの丁未風致公園の場所のような高い岡の斜面の所だったのです、住む人が誰もいなくなった炭鉱長屋がたくさん並んで建っていて、そこに研究会の面々と見学に来たのです。
割れた窓ガラスが散らばっているとはいえ、坑夫さんご一家の暮らしの気配が漂う廃墟と成った長屋を、おトしゃんは心の痛みを感じながら土足で上がりこんだのです。
・・・床に散らばっていた小学生の教科書、途中でめくられなくなったカレンダー、欠けたお茶碗、綿の出た布団・・・散乱した生活用品の数々・・・
おトしゃんは、あの時、あの光景を見て呆然と佇んでいた記憶が甦ったのです。
時代の変化と云う大きな流れに生活基盤を奪われ、ここでの暮らしから出ていかざるをえなかった坑夫さん一家の無念さが、散乱した教科書の情景と共におトしゃんの記憶として埋もれていたのです。
帰宅後お家の本棚を見てみたら、棚の隅に一冊だけ当時の勉強会で頂いた本が残ってました。
夕張で坑夫として働きながら炭鉱jの歴史を研究されていた『ごうりきみちのぶ』さんの詩集です。
「
ゆうばり 喰うばり 坂ばかり
いっぱつ どんとくりゃ
死ぬばかり
」
との、言葉が書かれてます・・・
丁未風致公園と云う文字を見てすっかり昔にタイムスリップしてしまったおトしゃんにN支部長は夕張の街を簡易案内してくれました♪
N支部長は毎年夕張映画祭に参加しているので夕張通なのです。
なんだか懐かしいような、時間が止まったままの風景・・・
廃墟のようですが・・・
夕張で自立した生活をしているネコさん達は冬場にはここに皆んな集まって寒さを凌いで暮らしているそうです♪
かっての産炭地の象徴としての夕張。一世紀前に我が国の近代化の一翼を担う産業として大いに期待され、それに命がけで応え、そして半世紀前。時代の変化により衰退せざるを得なかった地域の記憶が・・・、その時代、ここで生まれ、ここに暮らし、死んでいった人たちの思いが・・・、深い眠りにつき、緑の中に消えようとしてます・・・
疾走する自動車の窓に夕張の街並みが流れていきます・・・
おトしゃんの見えない方の目には、真っ白になって流れて行ってしまった時代の記憶が一緒に見えていたようです・・・
投稿者 choko : 2012年05月07日 15:26
コメント
A隊長
『夢の跡調査隊』と云うか廃墟調査隊ですか♪
これからはますます、調査対象候補地が増えるでしょうねぇ~・・・
隊長が仰っしゃるように、廃墟に我が身を重ねて悲嘆にくれるのも趣がありそうで魅力的ではあるのではないかと思ったりもしますが・・・でも、しかし、ボサボサ頭にボロボロのリュックサックを背負って、缶ビール片手に、うつむいて廃墟をうろついている陰々滅々たる私のヨロケタ姿を見られたら、近隣の方々からその方面に通報されることの懸念が大で腰が引けます(笑)
やはり、ああ云うのはハツラツとした若いヒトが背筋を伸ばして廃墟に佇む、対比の形こそが絵になるような気がします。ハィ♪
投稿者 夢の跡調査隊平和通支部 : 2012年05月08日 11:30
この路線のブログがいいのでは。廃屋を行く、廃道を歩く、廃産業の跡、とかのテーマで、H先生のようにこの世に残す目的の筋を通したブログが良いと一読者としては思います。記録性の高いパノラマ写真技術も持ち合わせていて、廃XXレポーターとしての感性も備わっているのに、とは思っています。が、まあそれぞれ事情も好みもあることでしょうから・・・
投稿者 A : 2012年05月08日 03:31